グッピーの精子と繁殖の仕組み


グッピーの繁殖の仕組みは不思議なものです。

いつ、どのように交尾を行っているのか。

メスは腹内にどのくらいの間、精子を保存しておけるのか。

どうやってお腹の中にある複数の精子から選別しているのか。

最も身近な熱帯魚のグッピーですが、その全容はまだまだ解明されていないのです。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

グッピーの交尾について

グッピーがいつ妊娠するのか、それを知るために毎日観察を続けたとしてもなかなかその瞬間を見ることはできません。

写真などの資料もなく、グッピーの交尾している瞬間はそれだけ希有なものなのです。

卵生の魚であれば、オスが精子をかけている様子などから判断できるのですが、グッピーはそういうわけにはいきません。

もしもグッピーのオスがメスを執拗に追いかけ回しているのを見かけたら、そのときが交尾をしているときです。

しかし、交尾はしていてもまだこの段階ではメスは精子をお腹の中に保存しているだけで妊娠も受精もしていません。

実際の妊娠は数日後で、メスのお腹が膨らみ、卵巣の黒く透けて見えるのが目立つようになってきたら妊娠した証です。

グッピーの精子の寿命について

グッピーが一度の交尾で三、四回分の精子をお腹に保存しておくというのは有名な話です。

では、メスの体内に入った精子はどれくらいの間、保存することができるのでしょうか。

とある研究によると精子を保存できた期間は十ヶ月にも及んだといいます。

しかし、この研究期間は十ヶ月であったため、実際にはもっと長い間保存できると考えられます。

十ヶ月も保存できると聞くと、精子の劣化や稚魚の弱体化など、色々と気になりますが、人の目からではそもそもどの稚魚がどのときの仔なのか分からないのであまり気にする必要はありません。

もしかしたら、それも含めて、メスは精子の取捨選択をしているのかもしれません。

精子の取捨選択について

グッピーのメスはより見た目の珍しい、目立つオスを好む傾向にあるようです。

そうして得た複数の精子のうち、より良いものを選んで自分の卵と受精させます。

実はグッピーはオスよりもメスの方が長生きしやすく、メスが稚魚を産んだときにはその仔の父親はいなくなっている、ということも珍しくありません。

また、メスは遊泳能力が高く、自然界であれば遠く離れた場所にも子孫を残すことができます。

このように、グッピーには僅か数cmの体からは想像もできないほど優れた繁殖能力が備わっています。

今日のグッピー人気や、一種とは思えぬほど多彩な魅力はこれら優れた能力によって、何年もかけて形作られてきたものなのです。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする