グッピーの学名はポエキリア・レティキュラータ(Poecilia reticulata)というもので、そこにはグッピーの「グ」の字もありません。
では、どのような由来でポエキリア・レティキュラータはグッピーと呼ばれ、多くの人々に親しまれているのでしょうか。
名前の由来
グッピーを正式に発見したのは、イギリスの植物学者レクメア・グッピーです。
これは1858年頃のことなのですが、実はそれ以前にもスペインの学者によってグッピーは発見されていたと言われています。
さて、イギリスの植物学者レクメア・グッピーによってトリニダードで発見されたグッピーは、彼の手によって約一ヶ月にも及ぶ船旅を経てイギリスへと降り立ちます。
そのときに付けられたのが、ディナルディヌス・グッピーという名前です。
発見者の名前から付けられたこの名称が、今日まで世界中の人々に愛されているグッピーの呼び名となりました。
その後、イギリスのリーガンによって、学名統一が行われ、グッピーの学名はポエキリア・レティキュラータとなります。
しかし、すでにグッピーの名称で世界中へ広がりつつあった愛らしい熱帯魚をポエキリア・レティキュラータという学名で呼び直されることはなく、グッピーの呼び名のまま、日本の一般家庭でも手軽に飼育できるほど近しい存在となりました。
短く音の響きがかわいらしいグッピーの方が発音がしやすく、親しみやすかったのかもしれません。
また、そのカラフルな姿を由来に、日本ではニジメダカの和名で示されることもあります。
グッピーの原産地
複数人に発見されたグッピーですが、これは原産地が広範囲気に及ぶことにも由来するのかもしれません。
北アメリカ大陸南部から南アメリカ大陸のほとんど全てにかけてが原産地域とされており、多様な姿形はそれぞれの地域に適応した結果とも言えるのではないでしょうか。
高い適応能力と繁殖能力によって現在では世界中の様々な所で帰化しているので、野生のグッピーと出会える場所はたくさんあります。
日本でも沖縄や温泉地などの温かい場所の汽水に帰化しているので、野生のグッピーを見ることができるのです。
帰化してしまったグッピー
日本にも野生のグッピーがいると聞けば、グッピーをより身近なものに感じるかもしれませんが、これは決して喜ばしいことではありません。
帰化したグッピーがいるということはペットとして飼われていたグッピーが飼い主の無責任と身勝手な都合で捨てられたということです。
何らかの事情でグッピーが飼えなくなった場合は、知り合いに譲るなどして最後まできちんと面倒をみましょう。
楽しくグッピーを飼うには、飼育に関する知識や設備だけでなく、人として飼い主としてのモラルが必要不可欠なのです。