グッピーはよく、混泳させやすい熱帯魚として取り上げられますが、必ずしもそうとは限りません。
確かにグッピーは性格が穏やかで、その特性上、あまり活発に泳ぎ回らないので他の熱帯魚のストレスとなることは少ないです。
しかし、それは混泳相手の熱帯魚にも求められる条件であり、片方が条件を満たしているだけではグッピーと混泳させることはできません。
外国産グッピー
混泳とは本来、種類の異なる複数の熱帯魚を同一水槽で飼育することを指します。
そういった意味でいえば、出身は異なれども同じグッピーである外国産グッピーを国産グッピーと同じ水槽で飼育することは“混泳”とは言わないのかもしれません。
しかし、外国産グッピーを飼育することは国産グッピーよりもリスクがあり、導入に失敗するとグッピーが死んでしまうことも少なくありません。
これは、水に慣れていないことが原因として挙げられます。
国産グッピーは日本の水に慣れているとよく言われますが、これは水質が弱酸性寄りの中性でも飼育できるということです。
グッピーにとっての最適はやや弱アルカリ性に傾いた水質ですが、国産グッピーは適応範囲が広く柔軟性があるのでほとんど中性の水で飼育されていることもあります。
一方、外国産グッピーは弱アルカリ性に慣らされていることが多く、いきなり水質が中性付近の水に変わることで体調を崩してしまうのです。
国産のグッピーであってもショップによっては弱アルカリ性の水で飼育されていることもあるので、グッピーに限らず、熱帯魚を購入するときにはどのような温度・phで飼育されていたのか確認するようにしましょう。
小型ナマズの仲間の一部
性格もおとなしく、水槽の下層にいることが多いとしてグッピーと混泳されやすい小型ナマズ目の仲間にも、混泳相手としては不適な種類がいます。
それがホルスタイン・タティアやレオパード・タティアといったタティア属です。
グッピーよりも一回り大きいサイズに成長し、夜行性のため水槽の下方や水草の上で眠っているグッピーの睡眠を妨げてしまいます。
寝不足は体調を崩すきっかけになるのでタティア属以外にも、夜行性の熱帯魚をグッピーと混泳させるのは避けましょう。
ブラックテトラ
性格の穏やかなネオンテトラ、カージナルテトラはグッピーと混泳できます。
これらは水槽の下方を泳ぐことが多く、群れで泳ぐ習性があるので混泳させるときにはある程度の数を揃えると上手くいきやすいでしょう。
他方、同じテトラであってもブラックテトラは気性が荒く、グッピーのヒレをつついたりかじったりするのでおすすめしません。
どうしてもグッピーと混泳できない熱帯魚を混泳させたい場合には、水槽をセパレートで分割するという方法があります。
透明な壁で仕切るだけなので簡単で、水槽の形状に合わせて様々な大きさのものが販売されています。
しかし、熱帯魚の遊泳スペースを激減させてしまい、掃除が難しくなったり、フィルターやヒーターの効果に差ができてしまうなど、デメリットもあるので長期間利用するには工夫が必要となるでしょう。