グッピーの繁殖の仕方
グッピーの繁殖形態は、メスが卵を産みオスがそれへ精子をかける体外受精ではなく、交接によって体内受精し、メスがお腹の中で卵を孵して稚魚を産む卵胎生です。
そのため、体外受精をする魚よりは生存率が高く、繁殖のしやすさから熱帯魚の飼育入門として人気です。
グッピーの出産周期
グッピーの妊娠期間は約25日と言われており、飼育環境が良く、健康的なグッピーであれば25~30日程の出産周期で繰り返し稚魚を産みます。
メスの胎内には精子を蓄えておく器官があり、一度の交配で複数回分の精子を胎内に留めておくことができます。
保存できる精子の量についてはメスの体の大きさやオスの精子の量にかかるため、個体によってバラつきがありますが、一般的には3~4回とされています。
そのため、グッピーのメスはオスのいない状況下でも産仔をすることが往々にしてあります。
上記の出産周期に則れば、不幸にもオスが死んでしまったとしても交尾をしていれば3、4回は稚魚を産むのです。
中には10ヶ月もの間、オスのいない環境で出産を続けた、驚くほど繁殖能力に秀でたメスもいるので、一度メスが出産してしまえばグッピーが絶えてしまうことはまずないでしょう。
飼育数の管理
グッピーのメスは一度の出産で数十匹産むと言われ、この数はメスの体調や栄養状態もさることながら、出産経験にも影響されます。
出産経験を重ねるほど産仔数は増える傾向にあり、初産では10匹に満たないこともありますが、ベテランともなると50匹以上産むこともあります。
グッピーの寿命は個体によって異なり、おおやそ1~2年、長ければ3年以上生きることもあります。
例えば、上記の出産周期に基づいてメスが毎回20匹を2年間産み続けた場合、20匹×24ヶ月=480匹がメスが生涯で出産する稚魚の数になります。
もちろん、これは理論上の数字であり、メスの体調や飼育環境によって大きく上下します。
しかし、成長した稚魚も同じように子供を産むとなれば、いかにグッピーが増えやすいか想像するに難くないでしょう。
稚魚を親と同じ水槽で飼育していると、稚魚が親に食べられてしまうことがあります。
通常、このような事態を避けるため、妊娠したメスを産仔箱に隔離し、稚魚がある程度の大きさになるまで別水槽で育てる方法が奨められています。
しかし、稚魚を敢えて親と同じ水槽で産ませ、生存競争に任せて無闇な数の増加を抑えることもあります。
また、水槽を複数用意してオスとメスを隔離し、見た目の美しいグッピーを選別して交尾させる方法も非常に有効です。