無事に出産を終えたら、次は稚魚にどんな模様が付いてどんな色が出るのか、気になりますよね。
実がグッピーの体の色には2種類あって、その種類によって色が出る時期が異なります。
地色は生後0日から出る
地色とは元の皮膚の色で、主にグレー、アルビノ、ゴールデンの3つがあります。
グレーはノーマルのグッピーに見られる基本色で、遺伝的にも強いので、片親がグレーだともう一方がアルビノやゴールデンであっても、産まれたグッピーの地色はグレーになります。
この地色は産まれた時から発現しており、この地色の上にコブラやタキシードなどの模様、レッドやブルーといった色が出るようになるのです。
模様や体色が出るのは生後約1ヶ月から
たっぷり栄養を摂って成長したグッピーの稚魚は産まれてから約1ヶ月で模様や色が出るようになります。
早い仔だと2~3週間頃からヒレや尾などに薄っすらとした色の違いが見られるようになるのでよく観察してみましょう。
生後1ヶ月以上経っても色模様が見られないときは……
生後1ヶ月以上経過しているのにも拘らず、グッピーの稚魚に色や模様が出ていないときは、以下の2つのことが考えられます。
1.成長が遅れている
2.発色遺伝子を持っていない
まずはグッピーの体の大きさについて確認してみましょう。
産まれて1ヶ月経つのに1cmにも満たないようなら、発育不良が原因と考えられます。
ブラインシュリンプなどの消化が良く、栄養価の高い餌をたっぷりと与えましょう。
十分な餌と適切に管理された水環境があれば、あとは遺伝子の問題です。
体の大きさは申し分ないというのであれば、原因は2つ目の発色遺伝子を持っていないことと考えられます。
グッピーの豊かな色彩を表す遺伝子はオスからオスへのみ遺伝されるものも多く、同じ親から産まれた稚魚であっても、メスには色が出ないということもあるのです。
また、半優性遺伝子などが絡んでくると、オスとメスのどちらにも発色遺伝子があるにも拘らず、仔の色が出ないこともあります。
この例としてはブルーグラスが有名で、遺伝子の組み合わせによってブルーグラス、レッドグラス、ブラオの見た目が異なる3種類のグッピーが産まれてきます。
遺伝子の種類や遺伝の仕方によっては発色遺伝子を持たない個体というのが一定数出てきます。
病気などではないので安心して飼育しましょう。
『熱帯魚はグッピーに始まり、グッピーに終わる』
そう言われるほどグッピーの遺伝は奥深く、ロジカルでいて繊細です。
その遺伝子の関わる色の発現はグッピーを飼育する最大の醍醐味とも言えます。
どのような色模様のグッピーが産まれてくるのか、十魚十色の違いを楽しみましょう。