レッドタキシードは鮮やかな朱色の尾ビレと背ビレが特徴的なグッピーです。
体の前側はシルバーですが、後ろ側になるにつれて黒くなっていき、その見た目がタキシードを着ているように見えることからレッドタキシードの名が付きました。
モザイク種やコブラ種のような派手な模様こそないものの、シルバーとブラック、レッドの彩色と濃淡のみで魅せるシンプルさは、まさに群泳に向いているグッピーといえるでしょう。
レッドタキシードの飼育方法! 混泳・水温・餌などについて
レッドタキシードの飼育は他の品種同様、難しくはありません。
成長したレッドタキシードの体長はおよそ3~5㎝なので、水槽を用意する際はそのときの大きさと飼育するグッピーの数を考慮しましょう。
レッドタキシードは熱帯魚ですので、水温は20~26度を保つと良いでしょう。
水質は中性でも飼育可能ですが、弱アルカリ性を好むので底砂に貝柄や珊瑚を混ぜておくと最適な水質を維持しやすいです。
餌は人工のグッピー用フレークフードが良いです。
天然飼料としてはブラインシュリンプが良いといわれていますが、こちらは動きの鈍い稚魚のときにオススメです。
成長したレッドタキシードには、必要な栄養が揃っていて長期保存ができ、水を汚しにくい人工飼料を与えましょう。
レッドタキシードと混泳できる熱帯魚は、小型で同程度のphで生育できるコリドラスなどのナマズの仲間が良いです。
ただし、レッドタキシードグッピーの子供が食べられてしまうこともあるので、混泳や飼育数を増やす場合は水槽に十分な大きさをもたせてください。
レッドタキシードの繁殖・遺伝について
繁殖能力が高いのでレッドタキシードの数を増やすことも、飼育同様、簡単です。
というのも、グッピーに繁殖期などなく、一年中子供を生むことができるからです。
メスが一度に生むことができる子供の数は回数を重ねるごとに増えていき、最初は10匹に満たなくとも、2回目は10数匹、3回目は20数匹……といった具合に増えていきます。
レッドタキシードを発現する遺伝子である、タキシード遺伝子は尾ビレを単色に染め、尾を開かせる働きがあります。
また、タキシード遺伝子はオスとメスが共にもつ性染色体上にあるので、遺伝されやすく、発現されやすいのです。
一方、優性遺伝であるがゆえに、他の遺伝子との両立発現は困難です。
たとえば、尾ビレに黒点を浮かばせるグラス遺伝子はタキシード遺伝子よりも劣性であるため両立発現はしません。
また、タキシード遺伝子と同程度の優性を持つ遺伝子であっても、形質の発現は個体ごとに異なるため、理想通りのオリジナルタキシードグッピーを作り出すことは容易ではありません。
このように、レッドタキシードグッピーは姿形の異なる新種を作り出す際には注意が必要ですが、次世代以降も親と変わらない見た目を維持しやすいため、観賞魚として飼育、繁殖させるにはお勧めです。