丈夫で繁殖能力が高く、見た目の美しい品種がたくさんいるグッピーは今日、コンテストが開催されるほど人気の熱帯魚です。
しかし、それら美点がときに欠点となってしまい、上手く繁殖させられないこともあります。
美点と欠点を知り、自分に合った飼育方法を実践することでグッピーを楽しく奇麗に繁殖させましょう。
コツ1.飼育数を抑える
繁殖させやすいグッピーはあっという間に数が増えてしまい、水槽が過密になって困ることもあります。
奇麗に繁殖させるためには、設置可能な水槽の大きさや数、世話をできる時間などを考慮して飼育数を決めましょう。
飼い始めはオスとメスを1匹ずつ、あるいはオス1匹に対してメス2匹と最小から数を増やしていくとよいです。
同じ大きさの水槽でも、ろ過能力の高低や隠れ場所の有無などで最適なグッピーの飼育数は変わってきます。
水草や流木、岩などの隠れ場所は状況に応じて数を調整するとよいでしょう。
例えば、水槽にオスとメスを混泳させて自然交配に任せて数を増やす場合、すでに水槽に十分な数のグッピーがいて、これ以上は過密気味になるので数をあまり増やしたくないときは隠れ場所を少なくすると生き残る稚魚の数が少なくなります。
逆に水草などを多く設置しておくと、稚魚が生き残りやすく、グッピーの数が増えます。
一方、オスとメスを平素から隔離して飼育し、必要に応じて混泳させて交尾をさせるのも数を抑えて奇麗に繁殖させる上で有効な方法です。
コツ2.遺伝を理解して交配させる
奇麗に繁殖させるためには見た目の美しさを維持することも欠かせません。
グッピー最大の魅力は彩色豊かなカラダや滑らかで大きなヒレなのですから、それを損なってしまっては鑑賞する楽しみが失われてしまいます。
多様な姿には遺伝子が深く関係しているので、その仕組みを知ることは非常に有効です。
しかし、仕組みを理解しても相手は生き物なので思う通りにならないこともあります。
根気強く取り組む忍耐力も重要でしょう。
見た目の奇麗さや優良を見分けるポイントなどは品種ごとに、そして飼育者の感性によって変わるので遺伝について調べながら見つけていくとよいでしょう。
多くの方が自分の好きになったグッピーの品種を維持していく飼い方をすると思います。
そうした場合、他品種のグッピーを同じ水槽で飼育することは避けましょう。
一般的にすでに固定されたグッピーの品種を崩しても美しいグッピーは得られず、また、一度乱れた遺伝子を元に戻すのは至難なのです。
予想外のオリジナルグッピーを作りたいという方以外は、2品種の混泳やミックスグッピーから派生したグッピーを繁殖に参加させないようにしましょう。
コツ3.飼育環境を整える
環境がグッピーの繁殖や成長に与える影響も少なくありません。
例えば、タキシード種などは体調が良いときにボディの濃紺が濃く浮き出ます。
水温、水質ともに適応範囲の広いグッピーですが、その品種、その個体によって最適条件は異なります。
普段からフィルターで水をろ過し、こまめな水の交換や温度調整をしていることと思いますが、加えて試薬を使っての水の状態確認も定期的に行うようにするとよいでしょう。