ネオンタキシードといえば、まず目につくのはその鮮やかなネオンブルーです。
主に体の後半から尾ビレにかけて濃いネオンブルーが配色されており、尾ビレの最端は縁取るように黒色が浮かんでいます。
頭や上半身はシルバーに輝き、シルバーとブルーの対比が艶麗として見る者の関心を惹きつけて止みません。
ボディのネオンブルーはタキシードとの兼ね合いでブラックからダークブルーまで、個体差が大きいことも魅力の一つです。
ネオンタキシードの飼育方法! 混泳・水温・餌など
ネオンタキシードに適した飼育環境は水温22~28度、水質は中性から弱アルカリ性で、繁殖能力が高いので簡単に数を増やすことができます。
成魚の平均的な大きさは約4~5cmですが、シルクのように滑らかな尾ビレを持つため、実際よりもやや大きく見えます。
水槽は小型のものから飼育可能ですが、数に合わせて調整しましょう。
また、稚魚を隔離するための別水槽も用意しておくとよいと思います。
餌にはグッピー用の人工飼料が適しています。
特にフレーク状のものであれば水面に浮いている時間が長いため、餌の劣化が遅く、グッピーの食べ付も良いです。
一方、稚魚は人工飼料への食いつきが悪い場合もあるので、成長が遅いと感じたときには生餌を与えるとよいでしょう。
他の熱帯魚と混泳させることも可能で、特にコリドラスなどの大人しく水底にいることの多いナマズ類などとは衝突もなく同じ水槽で飼育することができます。
ネオンタキシードの繁殖・遺伝
ネオンタキシードの繁殖には主に二種類の遺伝子に注目するとよいです。
一つはボディ下方を黒くし、まるでタキシードを着ているように見せるタキシード(Tu)遺伝子。
こちらはXとY両方の性染色体に存在しているのでXTu、YTuで固定されていれば、次世代以降もTu遺伝子を持つ個体を安定して得続けることができます。
二つ目はネオンブルーを表す遺伝子です。
こちらはタキシード遺伝子よりも複雑で、不完全優性という遺伝の仕方をします。
遺伝子は二つ一組なのですが、例えばネオンブルーを表す遺伝子をRとしたとき、その組み合わせはRR(優性ホモ)、Rr(ヘテロ)、rr(劣性ホモ)の三パターンになります。
通常、大文字表記は小文字表記よりも優性であることを示すので、AA(優性ホモ)とAa(ヘテロ)は遺伝子型が異なっても見た目が同じになります。
ところが、不完全優性の性質をもつ場合、RRとRr、rrの三つでそれぞれ見た目が異なります。
RRではレッド、Rrではブルー、rrではブラオという見た目になります。
ネオンタキシードのオスとメスを交配させた場合、単純に確率だけで見れば、RR(レッド)が25%、Rr(ブルー)が50%、rr(ブラオ)が25%となります。
これは、あまり他に類を見ない面白い特徴で、一つの品種から三種類を繁殖させることができる、ある意味お得なグッピーといえるでしょう。
飼育しながらグッピーの遺伝について身をもって学ぶことができる、その意味でもお得なグッピーです。